2/8(木) 18:03配信 Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
能登半島地震では震源から離れ、被害が少なかった地域の観光産業にも暗い影を落としています。旅行や観光で北陸地方を応援することはできるのか?航空・旅行アナリストの鳥海さんに、3月から始まる「北陸応援割」についても解説していただきます。
1月1日に発生した能登半島地震。復興にむけ、様々な支援の動きが広がるなか、大きな打撃を受けているのが「観光業」です。
震源から100キロ以上離れた石川県金沢市。地震で建物に被害を受けたこちらの旅館で大きな痛手となっているのが…
(川端の湯宿 滝亭 谷崎 康織 常務) 「1月だけで2000万円以上減になっていますね」
この紙束はすべて宿泊予約のキャンセル。
北陸地方では、地震による被害が比較的少なかった能登半島以外の 宿泊施設でもキャンセルが相次いでいます。その数は1月で約17万件に上っているといいます。
その影響は静岡でも…北陸へのツアーも多く企画する旅行会社では。
(サンコートラベル 宮川 憲 代表取締役) 「1月中に団体様が何本かキャンセルになった。毎日ニュースで(被災地が)出てくるので、最初は控えなきゃという流れだった」
こうした中、SNSでは ある投稿が話題に。それは、石川や富山の地方ごとに被害の大小を色分けし、観光が可能な地域を示す地図のイラスト。この投稿は、石川県の公式アカウントにも引用され多くの反響があったといいます。このイラストを作ったのは…
(アニメ作家 名取 祐一郎 さん) 「地図を見て宿泊キャンセルしないで行ってみようという声をもらった。金沢が閑散としていて驚きましたとか」
石川県南部の加賀地方に住むアニメ作家の名取祐一郎さん。この投稿にはある思いが…
(アニメ作家 名取 祐一郎 さん) 「石川県と言っても、北から南まで200キロある。その大きさも町の配置も分からない方が大多数なので、石川県北部の被害の甚大な場所が大きく報道されていて、僕が住んでるのが石川県の南ですが、そちらは震災から数日で日常生活を送れている状態なので、報道との温度差を感じていた」
そんな観光客離れが進む北陸地方への助けとなるのか。1月に、政府は3月から4月にかけて北陸4県を対象に、ひとり一泊・2万円を上限とする「北陸応援割」の実施を発表しました。
静岡県内の旅行会社にも早速、問い合わせがあったといいます。
(サンコートラベル 宮川 憲 代表取締役) 「実際(旅行に)行っても大丈夫なのかという問い合わせを受けた」
こちらでは「北陸応援割」が始まる前の2月にも、石川県へのツアー旅行も企画しています。
(サンコートラベル 宮川 憲 代表取締役) 「募集人数少な目ではあるが、旅行会社のスタイルとしても、石川県を応援しようという考えで出発を決定した」
SNSに色分けの地図を投稿した名取さんは、旅行に不安を感じている人に対し「ぜひ石川に来てほしい」と訴えます。
(アニメ作家 名取 祐一郎 さん) 「金沢にはかなりの数のホテルがあるので、2次避難されている方もかなりいるが、宿泊キャンセルの数の方が圧倒的に多くて、観光客が激減して困っている状態なので、ぜひぜひ来て、石川県の経済を回してほしい」
ここからは、航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さんとともに、進めていきます。
VTRでも紹介した、石川県のアニメ作家、名取さんが集めた情報を元に作った、観光が可能な地域を示す地図を紹介します。
●石川県北部(奥能登)観光は不可
●石川県南部や富山県の一部は被害が大きく赤色だったが回復しつつあり観光可能に
●人気の金沢は観光が可能となっています。この地図を見るだけで、観光ができる場所、まだまだな場所が分かるようになっています。
「北陸に行って大丈夫?」「迷惑になるのでは?」と思っている人も多いと思いますが、鳥海さんはどう考えますか?
(航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さん)
「地図にもあるように、和倉温泉がある七尾などは、まだ行くことができないが、かほくなどは行くことができる。金沢市内や加賀温泉は影響が少ないかと思う。私自身の考えとしては、地震が起きて1か月間程度は、余震も心配があり、不安を抱えて旅行するのは難しいが、2月に入って余震の回数も減っており、金沢市内や加賀はほとんど余震がなくなっているので、もう訪れても問題ないと思います。むしろ行くことで応援をするというかたちもあるし、金沢市内や加賀は普通に営業していますので、3月から支援という話がありますが、ぜひ2月中に支援がなくても経済効果というのもありますので、行くことも検討していただきたい」
こうした中で政府が発表したのが、観光支援策である「北陸応援割」です。まだ詳細は発表されていませんが、現時点で分かっていることは…
●対象エリアは、石川・富山・福井・新潟
●期間は、3月~4月の大型連休前まで
●補助率は、旅行、宿泊金額の50%
●補助限度額は、宿泊・交通付宿泊旅行1泊最大2万円/人、交通付宿泊旅行(2泊以上)最大3万円/人、周遊型旅行(宿泊2県以上)最大3.5万/人
いつから、どういった形で販売される?
(航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さん)
「3月1日から実施ということで調整をしていて、基本的には「全国旅行支援」に近いような枠組みになると思います。2月後半には旅行会社をはじめとして、楽天トラベルなどのオンライン旅行会社で販売される。50%、宿の場合2万円補助というのは、非常に大きいので、間違いなく3~4月にこの4県を訪れる方は多くなると思います」
観光という形で北陸地方を支援したいという人も多いと思いますが、石川県を中心に鳥海さんにおすすめスポットを教えていただきます。
(航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さん)
「金沢観光の定番、兼六園やひがし茶屋街はもちろんですが、おすすめはこちら!加賀温泉駅から近い山代温泉がおすすめです。個人的にはよく行くが、すばらしい温泉です。いい温泉宿もたくさんありますので予算に応じて選ぶのもいい。夜の和食も美味しい。温泉に入って、金沢のお魚も含めた美味しい和食を楽しんでいただきたいです」
続いてのおすすめはこちら「松井秀喜ベースボールミュージアム」。ジャイアンツ時代から、ニューヨークヤンキースで活躍したいろいろな物が展示してありますので、野球好きな方は、ぜひ行っていただきたい。
そして冬の北陸と言えばこちら!日本海の海の幸ですよ。タラの白子、香箱ガニ、ノドグロなど有名ですが、おすすめなのが!私個人的には回転寿司が日本一美味しい街だと思っています。回転寿司であれば、美味しいお魚が2000~3000円で食べられます。
おすすめグルメにはこんなものも。金沢カレー、金沢おでん、8番らーめん、ご当地グルメを味わうのもおすすめです。
また、3月16日に北陸新幹線(金沢ー敦賀)が開業しますので、ぜひ、いろいろ回っていただきたいと思います。
「北陸応援割」の利用・予約方法
下記のキャンペーンに参加する①ホテル予約サイト ②旅行会社 ③宿泊施設から対象旅行やホテルを割引適用価格で申込みできます。
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いま話題のおすすめ宿泊施設 北陸応援割 石川県 雨庵 金沢 (UAN kanazawa)
北陸応援割の概要(石川県、富山県、福井県、新潟県の4県)
北陸応援割は2024(令和6)年1月に発生した能登半島地震により被害を受けた北陸地方の観光業界を支援するために導入される割引制度(北陸復興割)です。
「北陸応援割」の対象地域
石川県、富山県、福井県、新潟県の4県
「北陸応援割」の割引内容
1人1泊あたり最大2万円まで旅行代金の50%を補助。
※補助率は1人1泊当たり最大50%。補助上限額は、1泊の宿泊または1泊の交通付き旅行商品で2万円、2泊以上の交通付き旅行商品で3万円、宿泊地が2県以上の周遊型旅行商品で3万5千円。日帰り旅行は対象外です。
※地震被害が甚大な石川県輪島市や七尾市などの能登地方は復旧が優先だとして今回の割引の対象とはせず、改めて支援する方針です。政府関係者によりますと能登地方で旅行支援を実施する際には補助率を70%まで引き上げる方向で調整中です。
「北陸応援割」の対象期間
2024年3月から4月の大型連休の前までの予定。