最新情報
「北陸応援割」の利用・予約方法
キャンペーンに参加する①ホテル予約サイト ②旅行会社 ③宿泊施設から対象旅行やホテルを割引適用価格で申込みできます。
【宿泊料金最大80%OFF】ホテル予約サイト
金沢 兼六園 ひがし茶屋街 金沢21世紀美術館 近江町市場 主計町茶屋街
- 北陸応援割予約受付の最新動向 4月4日更新【速報】
- 北陸応援割、石川も3月16日開始 他3県と足並みそろう
- 北陸応援割、3月16日開始 石川以外の3県
- 北陸応援割の開始、各県が判断 国交相「2次避難を考慮」
- 「北陸応援割」開始遅らせる考え 「行く先がない避難者を追い出すことに…」旅館などから懸念の声
- 【能登半島地震】旅行や観光で北陸地方を応援することはできるのか?航空・旅行アナリストの鳥海さんが解説
- 能登半島地震から約1ヶ月、金沢の観光地の今を取材した、目立つ訪日外国人、「北陸応援割」は弾力的にという声も
- 被災者を最優先したいけど…もうすぐ「北陸応援割」 葛藤する2次避難受け入れ宿泊施設
- 風評被害でコロナ禍前より低下 1月の福井の宿泊稼働率
- 富山県独自の旅行支援電子クーポン発行事業も 県が2月補正予算を専決処分
- 2月中旬開始予定 富山県応援クーポン「北陸・とやま応援事業」
- 被災地向けの「北陸応援割」、観光庁が便乗値上げを監視
- 北陸新幹線、3月に延伸開業「金沢-敦賀」間で試乗会 JR西「能登復興への原動力に」
- 「北陸応援割」に94億円 観光庁 能登半島は別途、手厚い支援
- 旅行割、便乗値上げ監視 北陸、観光庁「厳正対処」
- 2024年3月11日から東京都がキャンペーンを開始!全国旅行支援&独自割を実施する地域を紹介
- 宿泊キャンセルに苦しむ北陸…「北陸応援割」は観光支援の“起爆剤”となるか? 専門家が解説
- 【期待】「北陸応援割」富山の観光地に広がる支援の輪 ”食べて”応援 豊漁の”ひみ寒ぶり”がSNSで話題
- 「どん底に…」海の幸に大打撃 能登半島地震から1か月 名産品や観光業にも影響 富山
- 2024年1月31日更新!北陸応援割の最新情報や全国旅行支援を実施する県を紹介
- 「まるでコロナ禍」 北陸新幹線3月延伸も、福井の観光地寂れる現実 能登半島地震“風評被害”克服できるか
- 政府や福井県が支援策を発表
- 「北陸応援割」の経済効果は605億円:現段階では給付金による旅行事業者支援が妥当
- 「北陸応援割」に疑問の声 観光需要喚起で被災地支援のはずが…
北陸応援割予約受付の最新動向 4月4日更新【速報】
JTBが【北陸応援割 新潟県】の予約受付を4月5日(金)再開します
JTBが予算追加により、宿泊プランクーポンの枚数を追加いたしました。
利用条件
- 宿泊対象期間
2024/3/16(土) ~ 2024/4/26(金) - 適用除外日※1なし
- 予約対象期間2024/3/12(火) ~ 2024/4/26(金)
- 予約対象地域新潟県の対象施設
- 利用者条件JTBトラベルメンバー会員限定
- 居住地条件※2なし
利用可能プラン
- JTB宿泊プラン
- るるぶトラベルプラン
- JR+宿泊プラン
- 飛行機+宿泊プラン
楽天トラベルが【北陸応援割 富山県・石川県】の予約受付を4月4日(木)10:00より再開します。
※北陸応援割 富山県 石川県は上限に達したため、WEB予約受付を終了しました。
楽天トラベル が「北陸応援割 」における富山県と石川県の予約受付を再開いたします。
なお、各都道府県に割り当てられる予算の上限に達し次第終了いたします。あらかじめご了承ください。
対象サービス
国内宿泊
予約開始日
2024年4月4日(木)10:00
宿泊対象期間
2024年4月4日(木)チェックイン ~ 4月27日(土)チェックアウト
割引率
最大50%
割引上限
1予約1名あたり 20,000円
泊数
単日のみに適用可能(連泊は不可)
ご旅行時にお持ちいただく書類
富山県:宿泊者全員の本人確認書類(原本・コピー可)
石川県:旅行代表者の本人確認書類(原本・コピー可)
※楽天トラベルでは現時点で福井県の実施はありません。
※現時点で本ページに掲載していない情報については、個別にお問い合わせいただきましてもご案内することができません。あらかじめご了承ください。
楽天トラベルが北陸応援割 富山県・石川県の予約受付を再開!
※北陸応援割 富山県 石川県は、上限に達したため、WEB予約受付を終了しました。
富山県・石川県の予約受付を再開いたします
楽天トラベル が3月27日(水)10:00より、「北陸応援割 」における富山県と石川県の予約受付を再開いたします。
※各都道府県に割り当てられる予算の上限に達し次第終了いたします。あらかじめご了承ください。
対象サービス:国内宿泊
予約開始日:2024年3月27日(水)10:00
宿泊対象期間:2024年3月27日(水)チェックイン ~ 4月27日(土)チェックアウト
割引率:最大50%
割引上限:1予約1名あたり 20,000円
泊数:単日のみに適用可能(連泊は不可)
楽天トラベルが北陸応援割 石川県を開始!
※北陸応援割 石川県は、上限に達したため、WEB予約受付を終了しました。
楽天トラベルにおける北陸応援割 石川県の利用条件などは以下の通りとなります。
予約受付開始:2024年3月15日(金)10時
宿泊対象期間:2024年3月18日(月)チェックイン~4月27日(土)チェックアウトまで
宿泊対象都道府県:石川県
じゃらんが北陸応援割を開始!
※北陸応援割 新潟県は、上限に達したため、WEB予約受付を終了しました。
じゃらんnetにおける北陸応援割の利用条件などは以下の通りとなります。
対象サービス:じゃらん国内宿・ホテル
以下の都道府県の予約受付を開始いたします。
予約受付開始:2024年3月18日(月)10時頃
宿泊対象期間:2024年3月18日(月)チェックイン~4月27日(土)チェックアウトまで
宿泊対象都道府県:新潟県
※富山県・石川県はじゃらんnetでの受付は現時点で未定です。
日本旅行 JTB 一休.com Yahoo!トラベル ビッグホリデーは北陸応援割を終了!
日本旅行 JTB 一休.com Yahoo!トラベル ビッグホリデーは北陸応援割 富山県 新潟県 石川県のキャンペーン予算上限に達したため、WEB予約受付を終了しました。
北陸応援割、石川も3月16日開始 他3県と足並みそろう
2月28日(水曜日)19時59分 配信 毎日新聞
能登半島地震の被災4県(石川、富山、新潟、福井)を対象とした国の観光復興支援「北陸応援割」について、石川県は28日、他の3県と足並みをそろえて北陸新幹線の金沢―敦賀(福井県)間が延伸開業する3月16日に開始する方針を明らかにした。同12日から予約を受け付け、実施期間は4月26日までとする。5月のゴールデンウイーク以降も予算の範囲内で実施する。
応援割は被災4県を対象に旅行代金を1人1泊当たり最大2万円補助する。馳浩知事は当初、補助対象の宿泊施設に多くの2次避難者が身を寄せており、旅行客と重なる事態を避けるため開始時期を遅らせる意向を示していたが、「2次避難者の受け入れを継続しながら、観光需要の喚起を図っていくことが可能」と判断した。
北陸応援割、3月16日開始 石川以外の3県
2月22日(木曜日)20時17分 配信 時事通信社
新潟、富山、福井の3県は22日、能登半島地震の被災地の観光支援「北陸応援割」について、3月16日~4月26日に実施すると発表した。
1泊2万円を上限に旅行代金の半額を割り引く。3月8日から予約を受け付ける。石川県は、宿泊施設が2次避難所として利用されていることを踏まえ、開始時期を今後判断する。
応援割は交通費込みの旅行商品も対象で、割引額の上限は2泊以上の場合は3万円、宿泊地が2県以上の場合は3万5000円。旅行者は代理店や予約サイトを通じ、安い価格で購入できる。
北陸応援割の開始、各県が判断 国交相「2次避難を考慮」
北陸応援割の開始、各県が判断 国交相「2次避難を考慮」
2024年2月20日(火曜日)12:01配信 KYODO
斉藤鉄夫国土交通相は20日の記者会見で、能登半島地震を受けた観光支援「北陸応援割」の開始時期を巡り、一律ではなく、各県が状況に応じて柔軟に判断すべきだとの考えを示した。
応援割は、新潟、富山、石川、福井4県への旅行代金を割り引く仕組み。期間は3~4月を想定しているが、宿泊施設が2次避難先となっている例もあり、斉藤氏は「2次避難や住まいの提供状況などを考慮して地域ごとに柔軟に対応したい」と述べた。
応援割の開始で避難者が立ち退きを求められるのではないかとの懸念が出ており、斉藤氏は「2次避難に支障が生じないよう宿泊施設に呼びかけたい」と強調した。
「北陸応援割」開始遅らせる考え 「行く先がない避難者を追い出すことに…」旅館などから懸念の声
2024年2月14日(水)19:50配信 石川テレビ
国が観光業を後押ししようと宿泊料を上限2万円補助する「北陸応援割」。
馳知事は14日の会見で開始時期を遅らせる考えを示しました。 馳知事: 「石川県は被災の度合いも大きいので、正直(福井県、富山県と)一緒にやりたかった。けれどもそれはできないので、お先にお進めくださいと申し上げた」
馳知事は14日の会見でこのように話し、早ければ3月から始められる北陸応援割の開始時期を遅らせる考えを示しました。
北陸応援割は北陸地域の観光業を支援しようと国が観光客の宿泊料金を1人1泊あたり最大2万円を補助する旅行支援策です。
北陸新幹線の敦賀開業を控え、冷え込んだ経済回復に期待する声がある一方で、二次避難先となっている旅館やホテルなどでは「行く先がない避難者を追い出すことにつながるのではないか」と懸念の声が上がっていました。
【能登半島地震】旅行や観光で北陸地方を応援することはできるのか?航空・旅行アナリストの鳥海さんが解説
2/8(木) 18:03配信 Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
能登半島地震では震源から離れ、被害が少なかった地域の観光産業にも暗い影を落としています。旅行や観光で北陸地方を応援することはできるのか?航空・旅行アナリストの鳥海さんに、3月から始まる「北陸応援割」についても解説していただきます。
1月1日に発生した能登半島地震。復興にむけ、様々な支援の動きが広がるなか、大きな打撃を受けているのが「観光業」です。
震源から100キロ以上離れた石川県金沢市。地震で建物に被害を受けたこちらの旅館で大きな痛手となっているのが…
(川端の湯宿 滝亭 谷崎 康織 常務) 「1月だけで2000万円以上減になっていますね」
この紙束はすべて宿泊予約のキャンセル。
北陸地方では、地震による被害が比較的少なかった能登半島以外の 宿泊施設でもキャンセルが相次いでいます。その数は1月で約17万件に上っているといいます。
その影響は静岡でも…北陸へのツアーも多く企画する旅行会社では。
(サンコートラベル 宮川 憲 代表取締役) 「1月中に団体様が何本かキャンセルになった。毎日ニュースで(被災地が)出てくるので、最初は控えなきゃという流れだった」
こうした中、SNSでは ある投稿が話題に。それは、石川や富山の地方ごとに被害の大小を色分けし、観光が可能な地域を示す地図のイラスト。この投稿は、石川県の公式アカウントにも引用され多くの反響があったといいます。このイラストを作ったのは…
(アニメ作家 名取 祐一郎 さん) 「地図を見て宿泊キャンセルしないで行ってみようという声をもらった。金沢が閑散としていて驚きましたとか」
石川県南部の加賀地方に住むアニメ作家の名取祐一郎さん。この投稿にはある思いが…
(アニメ作家 名取 祐一郎 さん) 「石川県と言っても、北から南まで200キロある。その大きさも町の配置も分からない方が大多数なので、石川県北部の被害の甚大な場所が大きく報道されていて、僕が住んでるのが石川県の南ですが、そちらは震災から数日で日常生活を送れている状態なので、報道との温度差を感じていた」
そんな観光客離れが進む北陸地方への助けとなるのか。1月に、政府は3月から4月にかけて北陸4県を対象に、ひとり一泊・2万円を上限とする「北陸応援割」の実施を発表しました。
静岡県内の旅行会社にも早速、問い合わせがあったといいます。
(サンコートラベル 宮川 憲 代表取締役) 「実際(旅行に)行っても大丈夫なのかという問い合わせを受けた」
こちらでは「北陸応援割」が始まる前の2月にも、石川県へのツアー旅行も企画しています。
(サンコートラベル 宮川 憲 代表取締役) 「募集人数少な目ではあるが、旅行会社のスタイルとしても、石川県を応援しようという考えで出発を決定した」
SNSに色分けの地図を投稿した名取さんは、旅行に不安を感じている人に対し「ぜひ石川に来てほしい」と訴えます。
(アニメ作家 名取 祐一郎 さん) 「金沢にはかなりの数のホテルがあるので、2次避難されている方もかなりいるが、宿泊キャンセルの数の方が圧倒的に多くて、観光客が激減して困っている状態なので、ぜひぜひ来て、石川県の経済を回してほしい」
ここからは、航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さんとともに、進めていきます。
VTRでも紹介した、石川県のアニメ作家、名取さんが集めた情報を元に作った、観光が可能な地域を示す地図を紹介します。
●石川県北部(奥能登)観光は不可
●石川県南部や富山県の一部は被害が大きく赤色だったが回復しつつあり観光可能に
●人気の金沢は観光が可能となっています。この地図を見るだけで、観光ができる場所、まだまだな場所が分かるようになっています。
「北陸に行って大丈夫?」「迷惑になるのでは?」と思っている人も多いと思いますが、鳥海さんはどう考えますか?
(航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さん)
「地図にもあるように、和倉温泉がある七尾などは、まだ行くことができないが、かほくなどは行くことができる。金沢市内や加賀温泉は影響が少ないかと思う。私自身の考えとしては、地震が起きて1か月間程度は、余震も心配があり、不安を抱えて旅行するのは難しいが、2月に入って余震の回数も減っており、金沢市内や加賀はほとんど余震がなくなっているので、もう訪れても問題ないと思います。むしろ行くことで応援をするというかたちもあるし、金沢市内や加賀は普通に営業していますので、3月から支援という話がありますが、ぜひ2月中に支援がなくても経済効果というのもありますので、行くことも検討していただきたい」
こうした中で政府が発表したのが、観光支援策である「北陸応援割」です。まだ詳細は発表されていませんが、現時点で分かっていることは…
●対象エリアは、石川・富山・福井・新潟
●期間は、3月~4月の大型連休前まで
●補助率は、旅行、宿泊金額の50%
●補助限度額は、宿泊・交通付宿泊旅行1泊最大2万円/人、交通付宿泊旅行(2泊以上)最大3万円/人、周遊型旅行(宿泊2県以上)最大3.5万/人
いつから、どういった形で販売される?
(航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さん)
「3月1日から実施ということで調整をしていて、基本的には「全国旅行支援」に近いような枠組みになると思います。2月後半には旅行会社をはじめとして、楽天トラベルなどのオンライン旅行会社で販売される。50%、宿の場合2万円補助というのは、非常に大きいので、間違いなく3~4月にこの4県を訪れる方は多くなると思います」
観光という形で北陸地方を支援したいという人も多いと思いますが、石川県を中心に鳥海さんにおすすめスポットを教えていただきます。
(航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さん)
「金沢観光の定番、兼六園やひがし茶屋街はもちろんですが、おすすめはこちら!加賀温泉駅から近い山代温泉がおすすめです。個人的にはよく行くが、すばらしい温泉です。いい温泉宿もたくさんありますので予算に応じて選ぶのもいい。夜の和食も美味しい。温泉に入って、金沢のお魚も含めた美味しい和食を楽しんでいただきたいです」
続いてのおすすめはこちら「松井秀喜ベースボールミュージアム」。ジャイアンツ時代から、ニューヨークヤンキースで活躍したいろいろな物が展示してありますので、野球好きな方は、ぜひ行っていただきたい。
そして冬の北陸と言えばこちら!日本海の海の幸ですよ。タラの白子、香箱ガニ、ノドグロなど有名ですが、おすすめなのが!私個人的には回転寿司が日本一美味しい街だと思っています。回転寿司であれば、美味しいお魚が2000~3000円で食べられます。
おすすめグルメにはこんなものも。金沢カレー、金沢おでん、8番らーめん、ご当地グルメを味わうのもおすすめです。
また、3月16日に北陸新幹線(金沢ー敦賀)が開業しますので、ぜひ、いろいろ回っていただきたいと思います。
能登半島地震から約1ヶ月、金沢の観光地の今を取材した、目立つ訪日外国人、「北陸応援割」は弾力的にという声も
2/9(金) 13:01配信 観光産業ニュース トラベルボイス
能登半島地震の発災から1ヶ月が経った。能登地方の被害は甚大で、復旧・復興には時間がかかると見られている。一方、同じ石川県でも北陸最大の観光地である金沢市の被害は最小限にとどまった。ただ、震災後の観光客の戻りは限定的と言われている。実際のところ、現状はどうなのか。金沢市の主要スポットを巡りながら、地元の人の声に耳を傾けてみた。 金沢市を訪れたのは2024年2月5日の月曜日と6日の火曜日。JR金沢駅には、ヘルメットを被った災害ボランティアのグループや〇〇市とロゴが入ったベストを羽織った他地域からの応援職員に混じって、コンコースをスーツケースを引きながら歩く観光客もまばらながら見かけた。 2次避難を受け入れている宿泊先ホテルのロビーには、避難者への情報提供や支援物資が並べられ、通常とは異なる風景に被災県を実感する。展示室の天井ガラスなどが落下する被害を受けた「金沢21世紀美術館」では、6日に無料ゾーンがようやく再開した。しかし、市内を歩くと、被災の印象は薄れる。兼六園、近江町市場、長町武家屋敷跡などは通常通り。香林坊や片町などの繁華街でも閉まっている店舗は見当たらない。 ただ、人出は少ないという印象だ。平日と言うこともあるが、長町武家屋敷跡で旅行者らしき人が歩く姿はほとんど見られず、近江町市場の飲食店のスタッフは「全然戻っていない」と嘆く。2024年1月の兼六園の入園者数は、前年同月比で約40%減少した。 そのなかで、驚きだったのが訪日外国人の多さだ。いわゆる欧米豪と言われる遠方からの旅行者とみられるカップルやファミリーが、近江町市場で食べ歩きを楽しみ、耳を澄ますと、中国語が頻繁に聞こえてくる。長町武家屋敷跡の野村家を訪れたときも、入口に並んでいたのは外国人旅行者だけだ。雪の兼六園のフォトスポットでも、外国語の楽しげな会話が聞こえてきた。 兼六園観光協会理事長の宇田直人さんは「震災後も、海外の旅行者は予定を変更せずに来ているようです」と話す。特に小松空港に直行便が飛んでいる台湾からの旅行者にとっては、以前から北陸は人気の旅先となっていたこともあり、金沢に影響がないと知ると予定通りに訪れているようだ。 金沢市内の「金沢 彩の庭ホテル」代表の髙田恒平さんも「海外の方は、状況を説明すると、キャンセルはせずに予定通り宿泊されています」と話す。一方で、日本人旅行者はただキャンセルを伝えるだけだという。日本人は被災地への「遠慮」が先立つようだ。 石川県は実は広い。輪島市と金沢市は約112キロ離れており、例えば、東京を起点とすると静岡県の三島あるいは群馬県の高崎とほぼ同じ距離だ。 髙田さんは、宿泊施設からの立場から「日本人旅行者にも来てほしいと言う思いはありますが、まずは旅行会社の方に視察に来ていただき、安心して送客できることを確認したうえで、旅行者を金沢に送ってほしい」と話す。 「金沢 彩の庭ホテル」の客室は58室。現在、2次避難として1室に3人程度、計55人の高校生を受け入れているという。 一方、加賀友禅の工房「毎田染画工芸」の毎田仁嗣さんは、金沢市民として「金沢など南の被害が少なかった地域が元気になっていくことで、それが能登に対する支援にもつながると思います。県外から人が来てくれるのは素直に嬉しい」と話す。毎田さんの能登の友人も大きな被害を受けたという。
北陸応援割は地域の事情に合わせて
政府は、北陸地方の観光を促進していく目的で「北陸応援割」を実施することを決めた。3月16日の北陸新幹線金沢/敦賀間の開業も踏まえて、3月からゴールデンウィーク前の4月下旬までの実施を予定している。 ただ、石川県内だけでなく北陸地方でも震災の影響は地域によって異なる。兼六園観光協会の宇田さんは「応援割は、地域別に弾力的に実施した方がいいのではないでしょうか」と提言する。石川県は3月末までに約3000戸の仮設住宅の着工を目指すとしているが、入居が始まっても避難者全員が同時に入れるわけではない。金沢市内のホテルや旅館に避難している避難者が仮設住宅に入れる時期が時期がまだ明確ではないなか、宇田さんは「金沢市での応援割については、まずは避難者の方々が自分たちの地域に戻れるようになってからでもいいのでは」と話し、被災者支援を優先すべきとの認識を示す。 閑散期にも関わらず、2次避難者や支援者の受け入れで、現在の金沢市内の宿泊施設の稼働率は高い状況だという。ただ、2次避難者受け入れに対する補助金には上限がある。避難者を継続的に支援すると同時に、宿泊施設の経営を維持するためには、「まずは、応援割の実施よりも、宿泊施設への補助額を上げる方が現実的ではないか」との考えも示す。一方、北陸新幹線開業に向けて、福井県をはじめ富山県や新潟県では応援割を3月から実施することに理解を示した。 トラベルジャーナリスト 山田友樹
被災者を最優先したいけど…もうすぐ「北陸応援割」 葛藤する2次避難受け入れ宿泊施設
2024年2月8日 05時05分 (2月8日 12時25分更新) 中日新聞Web
2次避難者を受け入れている石川県内の宿泊施設の関係者たちは、3月以降の北陸新幹線敦賀延伸や政府の観光支援策「北陸応援割」を控え、観光需要を取り込みたい思いと、避難者を支えなければという責任感で葛藤している。
県によると、1月1日時点の予約は県内六つの温泉地で24万308人泊、金沢市内の主要ホテルで23万8162人泊あったが、1月末時点で29万9407人泊分が取り消された。
一方、被害の少なかった金沢市以南では、2次避難の受け入れなどにより7~8割の客室が稼働。金沢市内の主要ホテルは、2次避難の受け入れに加え、復旧作業に当たる工事関係者や行政関係者らが宿泊し、発災前の予約数を上回る。
金沢国際ホテルでは例年40~50%の稼働率が80%近い。担当者は「被災者を最優先にしたい。しかし、このまま高水準の稼働が続くと、春から旅行客を受け入れられるのかという心配はある」と語る。
市内の別のホテル関係者は「稼働率は高くても、観光客と比べて単価は圧倒的に低い」と明かす。さらに3月以降の予約は通常の3、4倍といい、「売り上げだけを考えるなら応援割のお客さんを確保した方がいい。ただ、被災地支援に当たる人や戻る場所のない被災者を追い出すわけにもいかない」と苦悩する。
加賀、小松両市にまたがる加賀温泉郷は、全体で8千人ほどの宿泊が可能で、約1600人の2次避難者を受け入れている。山代温泉観光協会の和田守弘会長は「まち全体で避難している方をもてなしてきた。観光客が増えるからといって、すぱっと支援をやめるつもりはない」と言い切る。
避難者を受け入れる旅館やホテルには国が1泊1人当たり1万円を補塡(ほてん)するが、通常の宿泊単価に及ばない施設も多い。和田会長は「被災者の受け入れそのものに問題があるのではなく、提示条件が厳し過ぎる。普段提供しない昼食のために人繰りをする旅館もあり、赤字になってしまう」と指摘する。
(中平雄大、高岡涼子、鈴木里奈)
風評被害でコロナ禍前より低下 1月の福井の宿泊稼働率
2/7(水) 18:50配信 福井テレビ
能登半島地震発生後の北陸地方のホテルの利用状況について、福井は石川や富山に比べて低水準で推移していることが分かりました。被害の大きい石川などは、観光客に代わって復興関係者らの需要が高まったことが理由とみられています。
この調査は、富山国際大学の大谷友男教授の研究グループが、宿泊予約サイトのビッグデータをもとに、ホテルの宿泊稼働率を指数化して分析が行われました。
それによりますと、石川や富山は地震発生後に観光客が減少し宿泊稼働は低下したものの、その後、復旧作業の関係者や取材に訪れる報道陣、二次避難のための宿泊施設の利用で指数が上昇したとしました。
一方で、福井は、1月上旬の指数の落ち込みが顕著で、1月6日の成人の日の連休は地震による旅行控えがあったとみています。その後も、福井は、地震関連の宿泊需要が見られず、1月の土曜日や休日の宿泊稼働は、多くの地域でコロナ禍前よりも低下しているとしました。
大谷教授は「能登以外の北陸は、風評被害の懸念があり、3月の北陸新幹線延伸や北陸応援割の効果に注目したい」としています。
富山県独自の旅行支援電子クーポン発行事業も 県が2月補正予算を専決処分
2/6(火) 16:12配信 KNB北日本放送
県は6日、能登半島地震の被災した人たちへの支援を盛り込んだ、68億円あまりの補正予算を専決処分しました。なりわいの再建に向けた補助金や、県独自の旅行支援策に充てる考えです。 2月補正予算は、一般会計で68億5400万円余りです。地震対応に伴い議会の議決なしで行う専決処分は、1月補正予算の112億円余りに続き2度目です。 2月補正予算には、被災した中小企業等の施設復旧に対して支援する「なりわい再建支援」として、事業費45億5000万円を計上しています。 また、富山など4県の旅行商品を半額で購入できる国の観光復興支援策「北陸応援割」と、これに合わせて県独自に行う支援策として事業費13億円を盛り込みました。 新田知事は6日の会見で「旅館業や観光業に対し、県独自に少しでも早く支援を届けたい」と述べ、3月中旬に実施予定の北陸応援割に先立ち、2月中旬から電子クーポンを配布する考えを示しました。
2月中旬開始予定 富山県応援クーポン「北陸・とやま応援事業」
富山県は、割引率50%の北陸応援割とは別に、2月中旬から富山県への旅行者を対象に、飲食店やお土産店で利用できる電子クーポン(1,000円~3,000円)を配布すると発表。
クーポンの配布額は富山県内の対象宿泊施設を1万円以上で利用する方を対象として、北陸応援割前では1人あたり3,000円、北陸応援割開始後は1人あたり1,000円分の応援クーポン(電子クーポン)を配布します。
2024年2月中旬(予定)~GW前まで(予算額に達するまで)まで。
被災地向けの「北陸応援割」、観光庁が便乗値上げを監視
2024年2月5日 22:05配信 日本経済新聞
観光庁は5日の衆院予算委員会で、能登半島地震の被災地の観光支援「北陸応援割」を巡り、割引相当分をあらかじめ旅行代金に不当に上乗せする「便乗値上げ」を監視する方針を示した。新潟、富山、石川、福井の被災4県に、高額な価格設定が明らかな場合は報告を求め、登録抹消を含め「厳正に対処する」とした。
応援割は、宿泊の場合1人1泊につき2万円を上限に補助する内容。3月16日の北陸新幹線金沢―敦賀(福井県敦賀市)の延伸開業の機会も捉え「3月、4月を念頭に実施する」と述べた。〔共同〕
北陸新幹線、3月に延伸開業「金沢-敦賀」間で試乗会 JR西「能登復興への原動力に」
2/5(月) 17:00配信 神戸新聞NEXT
JR西日本は1日、3月16日に延伸開業する北陸新幹線金沢-敦賀(福井県敦賀市)間で、報道向けの試乗会を開いた。開業後は東京-敦賀を最短3時間8分で結び、直通する「かがやき」「はくたか」が1日計14往復する。1月の能登半島地震では新幹線の設備に大きな被害はなく、試乗会では「W7系」車両が午前10時13分に敦賀駅を出発、約125キロ離れた金沢駅に向かった。在来線特急との乗り継ぎ駅となる敦賀駅の構内も公開された。
開業後は大阪発の特急「サンダーバード」と名古屋・米原発の特急「しらさぎ」が敦賀駅止まりとなる。金沢方面に向かうには同駅で新幹線「つるぎ」(敦賀-富山)に乗り換える必要があるが、大阪-金沢間の所要時間は最短2時間9分となり、現在より22分短縮される。 途中、石川県内は小松、加賀温泉、福井県内は芦原温泉、福井、越前たけふの計5駅が設置される。 試乗会では、高さ約37メートルと整備新幹線の駅としては最大規模を誇る敦賀駅の連絡通路や新駅舎も公開された。1階の在来線ホームから3階の新幹線ホームへの乗り継ぎをスムーズにするために整備したエスカレーター26基と、19通路の改札機が目を引いた。 3月には、能登半島地震の復興に向けた観光支援「北陸応援割」が始まる予定で、同社は今回の延伸を「復旧・復興の原動力に」(長谷川一明社長)と期待を込める。(大島光貴)
「北陸応援割」に94億円 観光庁 能登半島は別途、手厚い支援
2/5(月) 観光経済新聞
観光庁は、能登半島地震に伴う観光支援策として、北陸4県を対象に3~4月に「北陸応援割」を実施する。予算額は旅行費用の割引原資や事務局経費を含めて94億4千万円。事務局の設置など実施体制は各県の判断となるが、新型コロナ対策として各県で実施された「全国旅行支援」の枠組みを生かすことが想定されている。被害が甚大な能登地域については、別途、より手厚い支援策を検討し、観光客の受け入れが可能になった段階で実施する方針だ。
「北陸応援割」は、政府が策定した「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」に盛り込まれた。財源は2023年度予算の予備費が充てられる。石川、富山、福井、新潟の4県が対象で、国内旅行、訪日旅行の旅行・宿泊料金の割引を支援する。具体的な開始日は未定だが、3~4月、ゴールデンウイーク前まで実施する方向だ。
補助率は1人1泊当たり最大50%。補助上限額は、1泊の宿泊または1泊の交通付き旅行商品で2万円、2泊以上の交通付き旅行商品で3万円、宿泊地が2県以上の周遊型旅行商品で3万5千円。日帰り旅行は対象外。
観光庁によると、既存の宿泊・旅行予約に対する割引適用の取り扱いについては検討中だが、新たな観光需要の喚起を目指したい考え。また、「全国旅行支援」などに導入された買い物や飲食に利用できるクーポンの提供などは実施しない。
能登地域については、当面の「北陸応援割」から除外するわけではないが、復旧・復興が進み、観光客の受け入れが可能になった段階で、別途、適切な時期に、さらに手厚い観光需要喚起を実施する方針。割引率70%の適用なども念頭に、観光庁では、復旧・復興の状況を見ながら、具体的な支援策を検討する。
観光支援策では「北陸応援割」以外に、風評被害対策の訪日観光プロモーションに約10億円を計上した。日本政府観光局(JNTO)による情報発信、インフルエンサー招請、航空会社などとの共同広告を実施する。
早期に需要喚起 九州割がモデル
能登半島地震における観光支援策のモデルとなるのが、2016年4月の熊本地震に際して実施された旅行割引「九州ふっこう割」だ。全体事業費は約180億円。直接被害、キャンセルなどの間接被害が大きかった熊本県、大分県だけでなく、周遊旅行への影響から九州7県が対象となった。16年7~9月、10~12月の2期制で、後半には割引率を引き下げた。県ごとにも割引率に差を付け、熊本県、大分県の割引率は最大70%だった。割引支援の早期実施、九州一体のプロモーションによって、風評を払拭し、地域経済への影響を低減させた。
旅行割、便乗値上げ監視 北陸、観光庁「厳正対処」
2/5(月) 16:11配信 KYODO
観光庁は5日の衆院予算委員会で、能登半島地震の被災地の観光支援「北陸応援割」を巡り、割引相当分をあらかじめ旅行代金に不当に上乗せする「便乗値上げ」を監視する方針を示した。新潟、富山、石川、福井の被災4県に、高額な価格設定が明らかな場合は報告を求め、登録抹消を含め「厳正に対処する」とした。 応援割は、宿泊の場合1人1泊につき2万円を上限に補助する内容。3月16日の北陸新幹線金沢―敦賀(福井県敦賀市)の延伸開業の機会も捉え「3月、4月を念頭に実施する」と述べた。
2024年3月11日から東京都がキャンペーンを開始!全国旅行支援&独自割を実施する地域を紹介
2/3(土) 19:02配信 LIMO Life&Money
国土交通省 観光庁が実施する、全国を対象とした観光需要喚起策「全国旅行支援」。2024年2月以降も引き続き延長したり、再開を予定している県も見られます。 今回は、直近で発表された全国旅行支援&独自割を実施する地域を紹介しますので、今後利用する予定のある方はぜひチェックしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【東京都の独自割】暮らしを応援!TOKYO元気キャンペーン
●実施期間 ・2024年3月11日(月)~2024年3月31日(日)23:59までを予定 ●概要 ・都内の対象店舗において、対象のQRコード決済を行うと、後日、決済額の最大10%(上限3000円相当)のポイントを還元。 ●対象のQRコード決済 ・PayPay、d払い、auPAY(コード支払い)、楽天ペイ(コード・QR払い) ●対象者 ・都内在住者(都民)でなくても対象となります。 ●公式サイト ・暮らしを応援! TOKYO元気キャンペーン
【観光支援策】北陸応援割
●概要 ・能登半島地震で甚大な影響を受けた観光業界の支援として、復興の状況を見ながら、北陸への旅行代金を割り引く「北陸応援割」を実施予定 ●対象地域 ・北陸4県(石川県、富山県、福井県、新潟県) ・能登地方は復旧を優先して改めて支援する方針 ●対象期間 ・2024年3月からゴールデンウィーク前までを予定 ●割引上限額 ・宿泊旅行(1人1泊あたり):2万円 ・交通付き宿泊旅行(1人1旅行あたり):1泊2万円、2泊以上3万円、2県2泊以上3.5万円 ●割引補助率 ・50%割引(能登地方で実施する場合には最大70%割引を検討)
【福島県の全国旅行支援】「来て。」割キャンペーン
●対象期間 ・2024年2月1日(木)~2024年2月29日(木)(楽天・じゃらんは28日(水)宿泊分まで) ●割引内容 ・1人1泊8000円以上の宿泊で3000円の割引。宿泊の割引のみで、観光特典クーポンの付与はありません。 ●公式サイト ・福島県「来て。」割キャンペーン
宿泊キャンセルに苦しむ北陸…「北陸応援割」は観光支援の“起爆剤”となるか? 専門家が解説
2/4(日) 7:40配信 TOKYO FM
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。1月31日(水)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「能登半島地震の被災者支援パッケージ『北陸応援割』の効果は?」。情報社会学が専門の城西大学 助教・塚越健司さんに解説していただきました。
◆政府の打ち出す「被災者支援パッケージ」の内容は?
政府は1月26日(金)、能登半島地震の被災者への支援策「被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ」に使う予備費を閣議決定しました。 吉田:塚越さん、この被災者支援パッケージにどのような支援策が盛り込まれたのか、教えてください。 塚越:政府は2023年度の予備費から1,553億円の財源確保を閣議決定しました。支援策はさまざまありますが、代表的なものを紹介すると、まず「生活の再建」です。半壊した家屋の解体費用の自己負担を特例でゼロにするという支援があります。 他にも「なりわいの再生」として、中小企業の施設復旧のために1事業者あたり最大15億円の補助制度や、伝統産業の再生に最大1,000万円の補助などもおこなうというものです。 なかでも特に注目されているのが、観光業支援の「北陸応援割」。こちらは、新型コロナウイルス感染拡大により打撃を受けた観光・旅行事業者への支援策として実施された「GoToトラベル」や「全国旅行支援」のようなものです。1泊あたり2万円を上限として旅行代金の50%を割り引きます。この「北陸応援割」の対象は石川、富山、福井、新潟県の4県。ゴールデンウィーク前の3~4月に実施する方向です。
◆相次ぐ旅行のキャンセルに苦しむ北陸
吉田:「北陸応援割」に関しては、効果を疑問視する声もあがっているようですね。 塚越:そうですね。「北陸復興のために良いじゃないか」という声もありますが、一方でそのお金を「被災者への直接支援に向けるべき」といった意見や、「恩恵があるのは、それほど被害がなかった地域になるのでは?」といった否定的な意見もあります。 この点に関して、まずデータからお話すると、能登半島以外の石川県やその周辺県では、震災後から宿泊キャンセルが相次いでいます。岸田文雄首相によれば、1月は北陸4県で宿泊キャンセル数が17万件になっているとのことです。石川県の旅行業協会の調べでも、8億円近い金額の予約がキャンセルになっていて、さらに膨らむだろうと予想されています(※番組放送時点)。 また、富山県でも宿泊のキャンセルが続き、およそ3億円の損失が出ているとのことです。過度な自粛ムード、あるいは東京などの被災地域以外では「今は現地に迷惑をかけないように」という気持ちが生まれてしまい、それが結果的に北陸地域に経済的なダメージを与えてしまっているということかなと思います。 こういった事情もあって、例えば富山県の旅館協同組合の理事長は「北陸応援割」を歓迎すると朝日新聞の取材に答えています。実際、震災で設備に被害が出たところもありますが、すでに通常営業していると話していて、簡単に言えば、特に被害が強い能登半島以外は(全てでないにしても)日常に戻っているそうです。そういった地域にお客は戻っていないということですね。そういう意味では「北陸応援割」は、いいのではないかと思います。
◆恩恵を受けるのは「被害の少なかった地域」だけ?
ユージ:「実施するタイミング」についても、疑問視する声があるようですね。 塚越:「実施するタイミング」や経済効果を疑う声もあります。被害の大きかった能登地方では、観光資源の海産物の提供や、宿泊の再開を3月~4月にできるかどうかは見通しが立っていません。そういったなかで応援割を押し出せば、被害が相対的に小さかった他の3県に観光客が流れる可能性もあります。 例えば、実際に2016年4月に起きた熊本地震の際にも、その年の7~12月まで熊本とその他、九州地方6県を対象とした「九州ふっこう割」を実施しました。このときは、被害が相対的に少なかった大分県に比べると、被害の大きかった熊本県の観光客の増加は少なかったということもありました。こういったケースも考慮すると、支援のあり方はもっと工夫が必要なように思います。 例えば、応援割の対象を県ではなく、損失が大きかったが、すでに通常営業に戻っている地域に限定して、さらに実施のタイミングを2月にするなど、もっと早くする方法もあります。 また、能登地方の復興の目処がたった時点で、能登地域に限定したものを打ち出すのも手だと思います。政府は能登地域が観光客の受け入れが可能になった際には、割引率を70%まで増やすという策も検討しているとのことですが、いずれにせよ今の策は「機敏で効果的な政策」とは言えないように思います。
◆より有効性や実効性を考えたやり方を
ユージ:この被災者支援パッケージについて、塚越さんはどうご覧になりましたか? 塚越:被災者支援パッケージが必要ないかというと、そういうことではないです。もっと、有効性や実効性を考えたやり方があったのではと思います。政治の役目は「限りある資源の配分」にあるので、やり方をもう少し考えてほしかったです。コロナの対応でも思ったことですが、もう少し機敏に動けないのかなという思いがあります。 もう1つは、政治にとっては「言葉の力」も重要だと思います。いろいろな制度を調整するのも大事ですが、例えば岸田首相が「今年は北陸に旅行しましょう」と、言葉と心を込めたメッセ―ジを発信すれば、旅行割など関係なく自発的に「行こう!」と思う方も増えると思います。 政治家の言葉の力、心の力も大事なので、そういうところをもっと考えてもらいたいです。今、政治に期待できない部分があるので、心や言葉の力が大事だということを、私たちも覚えていかないといけません。 (TOKYO FM「ONE MORNING」2024年1月31日(水)放送より)
【期待】「北陸応援割」富山の観光地に広がる支援の輪 ”食べて”応援 豊漁の”ひみ寒ぶり”がSNSで話題
1/29(月) 11:02配信 FNNプライムオンライン
政府は25日、能登半島地震の被災地支援パッケージをとりまとめ、観光支援の「北陸応援割」が盛り込まれた。地震で打撃を受けた富山県の観光地から期待の声があがる一方、SNSで富山の冬の味覚「氷見寒ぶり」が話題に。傷んだ観光地を想う支援の輪が広がっている。
3億円以上の大打撃
北陸の観光地に大きな被害をもたらした能登半島地震。 発生から3週間以上が経つが、比較的被害が少なかった富山県の観光地も観光客が激減している。 年間30万人の観光客が訪れる県内最大の温泉街、宇奈月温泉の老舗旅館「延楽」もそのひとつだ。 延楽 濱田昌子女将: 「たちまち(予約が)消えていった。本来1月は(業績が)よいはずだった。地震だけは思いもかけなかった。温泉、水、電気、ガスも通常通り営業している。宇奈月にぜひお越しいただければ」 宇奈月温泉の旅館では、1月22日までに約6500人のキャンセルが発生。 延楽では地震による大きな被害はなく、温泉も問題なく湧き出しているが、キャンセルや延期の連絡が相次ぎ、25日までの3日間、休業を余儀なくされた。 地震発生後、被災地への観光を控えようとする傾向が強まり、富山県内のホテル・旅館全体の損失額は3億円以上にのぼると見られる。 こうした状況の中、政府が打ち出したのが、観光需要を喚起するため、1泊2万円を上限として旅行代金を割り引く「北陸応援割」だ。 期間はゴールデンウィークまでの3月、4月にかけて、対象は富山、石川、福井、新潟の4県となっている。 この難局に専門家が指摘するのが、3月の北陸新幹線敦賀延伸を見据えた取り組みだ。 富山国際大学・観光専攻 大谷友男准教授: 「(全国的に)石川の復興を応援しようという動きがあるが、福井・富山も新幹線で簡単に行き来できるようになる。広域観光として応援のため、旅行する人を取り込むことが大事」
‟食べて”被災地を応援
一方、被災から立ち上がり、動き出した観光地がある。 地震から3週間ほどが経ち、ほとんどの店が営業を再開した「ひみ番屋街」 買い物で復興支援しようと主に県内や金沢近郊の客が訪れている。現在、通信販売などの発送が中心となっている鮮魚店では、申込み客から、温かい言葉が届いていた。 ひみ水産 徳前康宏さん: 「(買った人から)『頑張ってください』みたいな一言が添えてある。全国から応援してもらってる気がしてうれしい」 氷見といえば、寒ブリ。 年末から豊漁が続き、書き入れ時と意気込む中で地震が起きた。 観光客が激減し、需要が減少したことから大幅に値下がりし、漁業関係者が苦しんでいることが伝えられると、氷見の新鮮なブリを食べて応援しようと、漁港近くの食堂に訪れた客がSNSにブリ料理の写真を投稿し始めた。 県内在住の男性が投稿した画像には、丼からこぼれんばかりの新鮮なブリが魅力的と、25日までに81万回以上のアクセスがあり、投稿を見て足を運んだ人もいた。 魚市場食堂 店員: 「びっくりしました。予想外というか、皆さんに応援していただいているなという実感があります」 地震を乗り越え、動き出した観光地。 様々な形で、復興支援の動きが広がっている。 (富山テレビ)
「どん底に…」海の幸に大打撃 能登半島地震から1か月 名産品や観光業にも影響 富山
2/2(金) 0:04配信 日テレ NEWS NNN
2月1日で、能登半島地震の発生から1か月。震度5強を観測した富山県の氷見市では、多くの家屋が被害を受けました。
富山県氷見市の北大町に来ています。富山県でも家屋の倒壊や液状化現象、断水など大きな被害が出ました。 氷見市は能登半島の“付け根”に位置していて、元日の地震では震度5強を観測しました。この通りは特に被害が大きく、応急危険度判定で危険を示す赤い紙が貼られている家屋が多くあります。 また、雨風をしのごうとブルーシートを貼っている住宅も目立ちます。なかには1階部分が完全に崩れ落ちてしまった住宅もあります。 富山県では1月30日時点で47人がケガをし、6058件の住宅で被害がありました。住む場所に不安を抱える住民が多くいる一方、ここ富山では、観光や特産品への影響も深刻です。
富山県で震度5強の揺れが観測されたのは、史上初めてでした。 元日で賑わうショッピングセンターでは、「しゃがんでください、その場で! その場でしゃがんで!」と大声で呼びかけられていました。 住宅の倒壊や液状化など多くの被害があった氷見市。冬は全国的にも有名な寒ブリのシーズン。例年であれば、大勢の観光客が訪れる時期です。 しかし、氷見市では一時ほぼ全域で断水。年間、約120万人が訪れる観光施設「ひみ番屋街」は、一時ほとんどの店が休業しました。 ひみ水産 徳前康宏さん 「コロナがあけて、ブリもとれて観光客も戻ってきたのにどん底に落とされた気分」 先週末にようやく全ての店で営業を再開しました。 地震の影響は、富山県内の名産品にも出ています。 射水市の新湊漁港でせりに並べられたのは、赤々としたベニズワイガニです。津波の影響でかに漁の仕掛けが流され、水揚げ量は例年の4分の1以下だといいます。 3月からのホタルイカ漁を控えた富山市の水橋漁港では… 水橋漁民合同組合 安倍久智組合長 「30センチくらい下がっている」 地面が下がり、大きな隙間ができていました。沖合に設置していた網も地震で全て壊れました。
そして、観光業界も打撃を受けています。 富山県では、被害の少なかった地域でも宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、その数は2万1000人以上。さらに、今後への不安も… 富山県立山町にある、日本一の大きさを誇る黒部ダム。開発に使われた工事用ルートを観光用に整備した「黒部宇奈月キャニオンルート」が、今年6月に一般開放予定です。 しかし、その出発地点に向かうトロッコ電車の橋が今回の地震による落石で破損。予定通り開放されるのか、影響が懸念されています。
永井記者 「流行の自粛ムードからか、富山では被害の少なかった地域でも宿泊のキャンセルが相次いでいます」 藤井貴彦キャスター 「観光への影響が今後、どこまで続いていくのかは心配ですね」 永井記者 「私がいる氷見市では、多くの旅館が断水で休業を余儀なくされました。断水が解消して営業を再開した後も新たな予約はなかなか増えていません。そんな中、観光業者からは『北陸応援割』に期待する声が上がっています。富山・石川・新潟・福井への旅行で1泊2万円を上限に宿泊費の半額を補助する観光支援策で、3月に始まります」 「3月には北陸新幹線が福井県の敦賀まで開業します。関係者は、この新幹線と『北陸応援割』、2つの相乗効果で活気を取り戻せればいいなと話していました」
2024年1月31日更新!北陸応援割の最新情報や全国旅行支援を実施する県を紹介
1/31(水) 19:02配信 LIMO
国土交通省 観光庁が実施する、全国を対象とした観光需要喚起策「全国旅行支援」。2024年2月以降も引き続き延長したり、再開を予定している県も見られます。
今回は、北陸応援割の最新情報や、直近で全国旅行支援&独自割を実施する県を紹介しますので、今後利用する予定のある方はぜひチェックしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【観光支援策】北陸応援割
●概要 ・能登半島地震で甚大な影響を受けた観光業界の支援として、復興の状況を見ながら、北陸への旅行代金を割り引く「北陸応援割」を実施予定
●対象地域 ・北陸4県(石川県、富山県、福井県、新潟県) ・能登地方は復旧を優先して改めて支援する方針
●対象期間 ・2024年3月からゴールデンウィーク前までを予定
●割引上限額 ・宿泊旅行(1人1泊あたり):2万円 ・交通付き宿泊旅行(1人1旅行あたり):1泊2万円、2泊以上3万円、2県2泊以上3.5万円
●割引補助率 ・50%割引(能登地方で実施する場合には最大70%割引を検討)
【大阪府の独自割】ほな、大阪行こか!キャンペーン
●申込期間 ・~2024年3月31日(日)※上限に達し次第終了
●宿泊期間 ・~2024年3月31日(日)宿泊まで(2024年4月1日(月)チェックアウト分まで)
●割引内容 ・1人1泊あたりの宿泊代金1万円以上(税込)で3000円割引 ・1人1泊あたりの宿泊代金5000円~9999円(税込)で2000円割引
●公式サイト ・ほな、大阪行こか! キャンペーン
【山形県の独自割】雪たびクーポンキャンペーン
●申込期間 ・~2024年3月22日(金)※上限に達し次第終了
●宿泊期間 ・~2024年3月22日(金)宿泊まで(2024年3月23日(土)チェックアウト分まで)
●割引内容 ・宿泊代金1予約あたり5万円以上(税込)で1万円割引 ・宿泊代金1予約あたり4万円以上(税込)で8000円割引 ・宿泊代金1予約あたり3万円以上(税込)で7000円割引 ・宿泊代金1予約あたり2万円以上(税込)で5000円割引 ※宿泊施設で直接お支払いいただく別途料金(例:入湯税等)は、宿泊料金(税込)に含みません。
●公式サイト ・雪たびクーポンキャンペーン
「まるでコロナ禍」 北陸新幹線3月延伸も、福井の観光地寂れる現実 能登半島地震“風評被害”克服できるか
1/31(水) 11:51配信 Merkmal
芦原温泉のキャンセル総額は約4億9000万円
3月に北陸新幹線延伸を控えた福井県の観光地で閑古鳥が鳴いている。能登半島地震の風評被害が続いているためで、関係者は100年に一度の好機がピンチに変わって困惑している。 「関西の奥座敷」と呼ばれる福井県あわら市の芦原(あわら)温泉。福井県を代表する温泉地で、あわら市が推計した2022年の観光客数が130万人を超す人気観光地なのだが、温泉街を歩く観光客は少ない。 芦原温泉旅館協同組合で話を聞くと 「(1月)27、28日の週末も閑散としていた」 という。 芦原温泉は元日の能登半島地震で最大震度5強の揺れを記録したものの、大半の宿泊施設が大きな被害を免れた。あわら市によると、通常通り営業しているのは23の宿泊施設。しかし、あわら市が2月からリニューアル工事に入った1施設を含む24施設から聞き取り調査したところ、宿泊予約のキャンセルが続出していることが分かった。 1~3月のキャンセル件数は予約全体の3割近い約6600件、総額 「約4億9000万円」 に上る。なかには約2000件、1億円を大きく上回るキャンセルが出た施設もあった。
その他観光名所にも影響
北陸新幹線が3月16日、福井県敦賀市まで延伸することにより、車で約10分の距離にあるJR芦原温泉駅が新幹線停車駅になる。関係者は宿泊客の増加を期待していたが、出はなをくじかれた格好だ。 あわら市観光振興課は 「本来なら越前ガニのシーズンで書き入れ時なのに、大きな影響が出ている」と頭を痛めている。 旅館業者のひとりは 「1、2月のツアー予約が消えてなくなった。まるでコロナ禍のころに戻ったようだ」 と肩を落とした。 ドラマのロケ地として有名な断崖の東尋坊を抱える坂井市や福井県立恐竜博物館がある勝山市も状況は似ている。首都圏や関西からの観光客が福井観光の予定を他の地方へ切り替え、観光客が消えた。 東尋坊は平日でも5、6台の観光バスがやってくるのが普通だったが、1台も来ない日が珍しくない。近くの飲食店主は 「地震に対する不安からキャンセルの電話が続いている。人出も例年の1割ほど」 とがっかりした口ぶり。福井県立恐竜博物館は 「大雪で敬遠した人もいるだろうが、風評被害の影響が確かに出ている」 と説明した。
政府や福井県が支援策を発表
政府は能登半島地震の被災者支援に向け、2023年度予算の予備費から約1550億円を支出する閣議決定をした。そのなかには北陸地方への旅行代金を補助して観光需要を掘り起こす支援策「北陸応援割」が含まれている。 北陸応援割は 「ひとり1泊2万円」 を上限に石川、富山、福井、新潟の北陸4県への旅行代金を50%補助する仕組みで、春の大型連休を前にした3~4月に実施する。岸田文雄首相は被害が甚大な石川県能登地方について、観光客の受け入れが可能になった段階でより手厚い支援策を打ち出す意向だ。 福井県は新幹線延伸を福井活性化に向けた100年に一度の好機と位置づけてきた。新幹線関連のイベントは予定通り実施し、その場で被災者支援の義援金募集をしている。福井県新幹線開業課は 「福井が頑張っている姿を見せることで復興に結びつけたい」 と狙いを語る。 新幹線開業を前に福井県内に宿泊する旅行者に宿泊施設や土産物店で使用できる地域デジタル通貨をプレゼントするキャンペーンも展開しているが、対象者を従来の北陸新幹線沿線と北関東の10都県から全国に拡大し、期間を2月20日までから3月15日までに延長することを決めた。 ただ、石川県を中心に北陸で多数の被災者が出ているなか、地元の地方自治体が盛大に観光キャンペーンをしにくい一面がある。このため、坂井市は官民連携で観光地域づくりを進めるDMOさかい観光局からSNSで通常営業している宿泊施設や観光地の情報を発信してもらう方針だ。 あわら市も北陸応援割の効果を継続できる施策を今後、検討することにしている。福井県観光誘客課や坂井市観光交流課は 「被害が比較的小さい地域に訪れてもらうことも復興の一助になる。過度の自粛は避けてほしい」 と呼び掛けている。
先行きが怪しい新幹線開業効果
新幹線の開通に全国から最も注目が集まるのは開業直後だ。北陸新幹線が石川県金沢市まで延伸した2015年当時も延伸開業と同時に金沢市へ多くの観光客が押し寄せ、金沢市を気に入ったリピーターが生まれている。福井県も開業と同時に多くの観光客を集め、福井ファンを増やそうと算盤をはじいていたが、先行きが怪しくなった。 福井県内の観光地は広域に分散し、金沢市のように市中心部に集中しているわけではない。知名度の点でも金沢市に見劣りし、 「金沢ブームを福井県で再現するのは難しい」 との見方が出ている。現時点で開業時にどれだけの利用客があるかどうかは予測しづらい。 国土交通省やJR西日本は敦賀延伸を予定通り、3月16日に実現させる方針。延伸区間の完成検査で問題は見当たらず、合格書が国交省からJR西日本へ手渡された。JR西日本の長谷川一明社長は記者会見で 「延伸が北陸の復興につながることを期待している」 と述べている。 100年に一度の好機がピンチになった北陸新幹線の延伸開業。被災者に寄り添いながら、再び好機に変えるにはどうすればいいのか、福井県の力量が問われている。
「北陸応援割」の経済効果は605億円:現段階では給付金による旅行事業者支援が妥当
1/29(月) 6:03配信 NRI
「北陸応援割」の対象4県の旅行消費は全国の4.6%
岸田首相は25日に、能登半島地震で大きな打撃を受けている旅行事業者を支援するため、被災関連県の旅行に政府が補助をする「北陸応援割」を実施する考えを明らかにした。26日には観光庁が、その枠組みの詳細を示した。 対象となるのは新潟、富山、石川、福井の4県であり、同地域への旅行商品を半額で購入できるようにする。宿泊の場合は1人1泊につき2万円を上限とし、新幹線や高速バスなど交通費と宿泊がセットになったパックツアーも割引の対象となる。期間は3月から4月下旬の大型連休前までを想定しているという。予算額は94億4,000万円である。 この「北陸応援割」がどの程度の経済効果を生むのかについて、まずは考えてみたい。観光庁が公表している旅行・観光消費動向調査によると、2023年1-3月期の日本人国内旅行消費額は、4兆2,554億円、4-6月期は5兆6,138億円だった。両者の合計は9兆8,692億円となる。「北陸応援割」が3月から4月末までの2か月間行われるとすれば、対象時期の国内消費額の昨年の実績額は、3兆2,897億円(9兆8,692億円÷3)となる。 他方、観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2022年の都道府県別延べ宿泊者数は、「北陸応援割」の対象となる4県で2,072万6,560人と、全国の4億5,045万8,460人の4.6%に相当する。対象4県の対象期間(2か月)の国内旅行消費額が全国の4.6%だとすれば、旅行消費額は1,513.3億円(3兆2,897億円×4.6%)となる。
「北陸応援割」の経済効果(旅行消費額増加額)は605.3億円
ところで支援の対象となる旅行関連消費額の中心は、宿泊代、交通費といったサービス消費である。内閣府の分析によると、サービス消費の価格弾性値は-0.8である。これは、価格が1%低下すると実質サービス消費は0.8%増加する傾向にある、ということを意味している(コラム「東京除外で減少するGo Toトラベルの消費押し上げ効果は1.5兆円程度か」、2020年7月17日)。 「北陸応援割」では旅行費用が半分になる、つまり50%の値下げが実施されることに等しくなるため(上限を超える支出部分は考慮しない)、それは支援の対象となる旅行関連消費を40%増加させる計算となる(支援部分も含む)。その場合、「北陸応援割」の効果によって、対象4県の対象期間の国内旅行消費額は、1,513.3億円の40%、つまり605.3億円追加で増える計算となる。 実際に同程度の旅行消費額の増加が生じる場合、補助金に使われる政府予算の94億4,000万円は十分ではなく、予算の上積みが必要になるだろう。
景気浮揚効果はあるが打撃を受けた旅行事業者の支援策としては問題
上記の試算のように、「北陸応援割」は、その対象となる新潟、富山、石川、福井4県に相応の経済効果をもたらすだろう。しかし、同制度の本来の狙いである地震で打撃を受けた旅行事業者の支援策として考えた場合には、その効果には疑問が残る。 第1に、地震で特に甚大な被害を受けた地域に、3、4月の時点で観光客が訪れるとはとても思えない。そうした地域では、観光客を受け入れることも難しいはずだ。そのため「北陸応援割」は、4県の中でも地震で甚大な被害を受けた能登半島などの地域以外への旅行を喚起することになる。地震の影響で観光客が大きく減っておらず、そもそもビジネスが深刻な打撃を受けていない周辺地域の旅行事業者により恩恵が及ぶ形になるだろう。本当に困っている事業者を助けることにはならないのである。 2016年4月の熊本地震の際にも、政府は同年7月から12月まで、熊本、大分、福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の7県を対象に旅行代金を補助する「九州ふっこう割」を実施した。しかし、その効果で観光客が増えたのは、被害の中心地であった熊本県ではなく、他の周辺県であったとの分析がある。同様のことが「北陸応援割」でも起こるだろう。 ただし、大きな被害が出た「能登地方」については、観光客の受け入れが可能になった段階で、1人1泊あたりの割引率を70パーセントにするなどの、より手厚い支援策を検討するとしており、政府は「北陸応援割」が地震の被害が大きい「能登地方」への旅行を促すことは当面ないことを認識している。 第2に、コロナ禍で政府が旅行事業者支援のために実施した補助金制度「GOTOトラベル」では、宿泊代の補助によって、旅行者は値段が高めの高級ホテル・旅館などの宿泊に同制度を利用する傾向が強まったと考えられる。高級ホテル・旅館では、しっかりとした感染対策が取られているとの見方も、そうした傾向を後押ししただろう。 「北陸応援割」でも同様のことが起こる可能性があるのではないか。同制度のもとで高級旅館などに宿泊者が集中すれば、地震の影響で打撃を受け経営基盤が揺らいでいる、体力のない中小の旅行事業者への支援とはならない可能性があるだろう。大規模な高級ホテル・旅館の方が、耐震設備がより整っているとの見方も、そうした傾向を促すのではないか。 第3に、「GOTOトラベル」では、人の移動を促し、感染リスクを高めるとの批判があった。「北陸応援割」の場合には、引き続き地震頻発が続く地域への旅行を政府が補助金制度で後押しするのは、国民をリスクに晒すため問題、との見方が出てくる可能性もあるのではないか。
現状は給付金で旅行業者を支援する段階
以上の点を踏まえると、「北陸応援割」で旅行事業者を支援することには問題があるだろう。現時点で旅行業者を支援する枠組みとしては、政府による給付金がより妥当なのではないか。地震で観光客が減り経営に打撃を受けている事業者に対して、売上高の減少分を補填するような枠組みが考えられる。これであれば、地震で打撃を受けた中小・零細事業者をしっかりと支援し、経営を支えることができるのではないか。 そして、被災地の復興がある程度進み、観光客の地震への不安が和らいだ段階で、「北陸応援割」は旅行事業者支援の有効策になってくるのではないか。ただしその時期は、年内には訪れないだろう。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) — この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英
「北陸応援割」に疑問の声 観光需要喚起で被災地支援のはずが…
1/28(日) 18:15配信 テレ朝NEWS
能登半島地震で落ち込んだ観光需要を喚起するための「北陸応援割」について、その効果を疑問視する声が上がっています。
北陸応援割 最大1人1泊2万円
能登半島地震を受け、政府は「北陸応援割」を実施することを明らかにしました。その額は1人1泊2万円です。対象となるのは石川、新潟、富山、福井の4県で、3月から4月にかけて旅行代金の半額、最大1泊2万円までを補助。対象地域となった温泉旅館では期待が膨らみます。 湯涌温泉「山音」 支配人 「我々も本当に期待していますし、色んな意味での支援が我々の勇気につながります」 「たちばな四季亭」 社長 「3月16日、北陸新幹線加賀温泉駅開業ということで機運も高まっている。(応援割の開始が)3月から4月ということで非常に良いタイミングだと思います」
■北陸応援割に疑問の声も
ただし、疑問の声も上がっています。 野村総研 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん 「被害を受けた旅行事業者の支援策としては十分ではないと思う」 野村総合研究の木内登英さんは、効果は限定的だと話します。 野村総研 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん 「GoToトラベルの経験からすると、高額のホテルに客が流れていく傾向が強く、被災地にあって小さくて経営体力が弱い旅館などを十分に救うことができないのが問題だと思う」 被害の大きかった能登地方では、観光資源の提供や宿泊の再開が3月、4月の時期までに見通せないところが多いとみられています。 野村総研 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん 「今やるべきは応援割というより給付金。売り上げが落ちた分を補助すると。事業者を直接補助する政策の方が今は重要なんじゃないかなと」 石川県の現状をイラストで表し、話題となった投稿。現地のアニメーション作家・名取さんの「ざっくり解説」でも記載されているように現在、石川県能登地方への不要不急の移動に関しては県から自粛が求められています。そのため政府は、能登地域については復興の状況を見ながら、より手厚い支援を検討するとしています。